わたしたちの暮らしは誰かの営みでできている。
そんな当たり前なことに気づいたのは、氷見で暮らしはじめてからでした。海と里山が近いこの場所では、食材が食卓に並ぶまでの過程をよく目にします。例えば魚。漁師さんはまだ私たちが寝ている夜中、漁に出発し魚を獲ってくる。それが早朝市場に運ばれ競り人・仲買人によって取引され、魚屋に並んでいきます。わたしたちはそれを買い、料理をつくる。食べ物がわたしたちの食卓に並ぶのは、様々な人の日々の営みがあるからこそ。
「HOUSEHOLD」は家庭と訳しますが、一緒に食事をし日々の暮らしをともに支えあう人の集まりという意味です。まちの営みはたくさんある家庭の営みの集合体でもあり、日々の暮らしを支えあうという意味では、まちはひとつの大きな家庭とも解釈できます。わたしたちは、氷見を訪れる人とこの営みの中継点になりたいという想いからこの場所にHOUSEHOLDという名前をつけました。
HOUSEHOLDは海のそばの古いビルをリノベーションした、1日2組限定のB&B(bed and breakfast)形式の宿泊施設、飲食店、ギャラリーの複合施設です。1階がkitchen(飲食店)、2階がgallery(ギャラリー)、3階がprivate(貸別荘)、4階がinn(宿泊施設)となっています。