冨樫達彦 w/Gökotta シェフ イン レジデンス

 

 

料理する美術家 冨樫達彦さんがHOUSEHOLDに1週間滞在し、氷見の食材、その土地に根付く歴史や風習をあつめ、HOUSEHOLDにて料理を作るというプロジェクト「シェフ イン レジデンス」を開催します。キュレーション・企画は「Gökotta(ヨークオッタ)」、今回は冨樫達彦さんとともにまちをまわり、話を聞き、記録をしていきます。

HOUSEHOLDの「シェフ イン レジデンス」は、「滞在しながらその土地の食材で料理を作り、振舞うこと」と広義に定義しています。料理家が氷見の土地の食材を使って個性豊かな創作料理をつくること、外国の旅行客の方が氷見で手に入る食材で自国の家庭料理をつくること、形式にとらわれず、HOUSEHOLDはキッチンを開放しています。今回はなんとアムステルダムで活動している美術家・富樫達彦さんがシェフとして滞在します。きっかけは宿泊ゲストとしてHOUSEHOLDを訪れてくれたGökottaさんに、氷見でHOUSEHOLDでやりたいことなどをざっくばらんに話をしたことでした。Gökottaさんが冨樫さんに呼びかけ、驚くほど三方のタイミングが合い、この2月にプロジェクトをスタートすることができました。

本レジデンス中は喫茶で特別なメニューが注文できるわけでも、ギャラリーにわかりやすく作品が並んでいるわけでもありません。ただ期間中活動の様子はweb上で、年内には読み物として発刊する予定です。どのようなシェフインレジデンスになるのか、お見守りください。

冨樫達彦 w/Gökotta シェフ イン レジデンス

食べることは日々の出来事である。
そしてその食事の向こう側にもたくさんの出来事の積み重ねがあることを知っているだろうか。
たとえば魚。
朝早くから船に乗り、網を引く人々がいる。
それらは漁港に運ばれて、競りにかけられる。
売る人と買う人がいて、運ぶ人がいる。
新鮮なうちに捌いて、味付けをして、お皿に盛り付けて、わたしたちの目の前にあらわれる。
一皿の一品が食卓に並ぶまでには、地層のように多くの時間と人々の繋がりが重ねられているのだ。

そんな話をつい2ヶ月前、初めてHOUSEHOLDを訪れた日に笹倉夫婦と話した。
氷見では生活の中で目の前の食卓の裏側を感じることができる。
小さな対話からこのシェフ・イン・レジデンスは生まれた。

この企画は「日々の営みを可視化する」場所と機会としてのレジデンスを目的としている。
アーティストには1週間HOUSEHOLDに滞在してもらい、現地の人々にふるまうためのレシピを作りあげてもらう。
レシピを練るには食品だけが素材とは限らない。
滞在して見て聞いたものすべて、氷見に根付く歴史や風習、方言、小さな世間話でさえも素材として活かされるのだ。
どんな人々と出会い、物語を知り、アーティストの中でどのように編集してレシピを完成させていくのか。
それらの素材(または調味料)を得るまでには地道なコミュニケーションや信頼が必要となるため、2階ギャラリーはオープンスタジオとして開放し、リサーチの過程を「レシピの種」として見せていく場とする。
そして最終日には「レシピの種」から生まれた料理を実際に作り、氷見の人々に召し上がっていただくことで、彼らはアーティストに話した言葉が形を変えて自分たちの中へと還っていくことを経験することになる。
誰かの存在によって目の前の光景がつくられていくことを、アーティストだけでなく、関わったすべての人と共有する時間をこのレジデンスの成果としていく。

食べることは生きることである。
生きることは自分以外の存在との繋がりを身をもって経験することだとしたら、
ひとりひとりの対話や手仕事、自然の時間軸が積み重なって、今、目の前の食卓が彩られていると気がついたとき、
当たり前の日常がすこし違ってみえるかもしれない。

 

文:Gökotta 

シェフ

冨樫 達彦 / Togashi Tatsuhiko

冨樫達彦 1992年山形県の農家の家に生まれる。高校時代に現代美術に興味を持ち、東京藝術大学美術学部先端芸術表現学部に入学。同大学を卒業後オランダアムステルダムへ留学、サンドベルグインスティチュートファインアート専攻を修了。留学中に、自分が食べたものをすべて写真で記録するプロジェクト”You Are What You Eat”を始めたのをきっかけに、その後料理と美術の関係を問うような作品を多数制作。「美味しさ」を美の問題として取り扱うことを目指して、<五感の平等>をモットーに、その作品は彫刻や写真から調香師とのコラボレーションなど異分野との協働に至るまで多岐にわたる。

企画

Gökotta (ヨークオッタ)

記録者。ある土地・コミュニティの中でしか生まれ得ない言葉や物語、光景の採集を行うことで、記憶の循環を多角的なアプローチで解釈していく。

概要

場所  :HOUSEHOLD, 氷見市内各所
日時 :2019/2/11(月)~2/17(日)
    13:00-18:00
   ※ 期間中は2階galleryをオープンスタジオとして公開します。
※ 2019/2/17(日):冨樫達彦シェフによるランチ・フルコース
※ 2/17(日)~ レシピの種 展示

Place : HOUSEHOLD, Himi, Toyama
Time and Day :   From Monday 11 February 2019  to  Sunday 17 

Access

住所:〒935-0013 富山県氷見市南大町26-10
アクセス:
(電車)JR氷見線 氷見駅から徒歩7分
(車)県道302号線 南大町交差点すぐ

Address:26-10 Minamiomachi,Himi city, Toyama 935-0013
Accses:
(by train)  7 min walk from Himi station /JR Himi Line
(by car) near intersection of “Minami-omachi”

なお、ビルの前の駐車場は月極駐車場で近隣の方の駐車場でございますのでお停めにならないようお願いいたします。近隣の方へ配慮してこのようなご案内とさせていただいております。お手数をおかけして申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。